TOEIC不正がひどかった。

こんにちは。TOEIC試験運営センターから「英国ビザ申請要件の変更について」というメールが来ましたが、イギリス留学を計画しているわけではありません(笑)。先日報道されていました、TOEICTOEFLが英国ビザ申請の要件である英語力の証明に使えなくなった、という件です。
今年2月、イギリス国内で、TOEIC実施を委託されている団体による不正が発覚したため、ETS(TOEICTOEFLを運営するアメリカの団体)が英国内務省と結んでいた契約は終了、TOEICのみならずTOEFLも使えなくなりました。
真面目に勉強、受験してきた方や、留学予定の方にはショックかつ迷惑な話です。

不正を暴いたのは、BBCの“Panorama” というドキュメンタリー番組。早速、その記事”Student visa system fraud exposed in BBC investigation” (学生ビザで組織的不正―BBC潜入調査で発覚)を読んでみました(動画付き)。
“Panorama” は昨年、学生ビザを延長するためにTOEICを受けるEU域外の外国人留学生(英語が覚束ない)になりすましたundercover(潜入取材者)を送り込み、「試験」実施の様子を隠し撮りすることに成功します。
不正を行っていたのは、いわゆる留学エージェントの”Studentway Education Ltd.”という団体(どうやらインド系の団体らしいのですが、この団体が出しているPRメッセージの英語力がかなり怪しい)。
英語がまったくだめな申請者でも英語力試験をすり抜けられると謳っていたそうで、費用は500ポンド(86,000円前後)と、通常受験料のおよそ3倍。ちなみに、試験会場を提供した” Eden College International” は、不正のことは知りませんとコメントしています。

記事(と動画)では、TOEICテスト(リスニング・リーディング)とTOEIC SWテスト(スピーキング・ライティング)両方の不正の実態が明らかにされます。
http://youtube.com/watch?v=Gw7CXe8pV6w

ひどいでしょう・・・。
TOEICテストの方では、教室内の受験生に対し、invigilator(試験監督官)が正答をすべて読みあげています。

“So, 1= Cat, 2= Cat, 3=Alpha, ... 6=Delta, ... 38=Beta...”

頭文字が正解の選択肢のアルファベットです。ごていねいに、

“Is everyone following me?”
(皆、ついて来ているかな?)

と確認まで。これで、200問2時間の試験が7分程度で終了しました。
また、TOEIC SWテスト(コンピューター端末に答えを吹き込んだり、入力したりする)では、受験生全員にマンツーマンで ”fake sitter”(替え玉)がつき、代わりに受験してくれます。その間、本物の受験生は脇に立って見ているだけ!会場で「受験した」証拠の写真を取るためだけに来場したのです。
毎年10万人ものEU域外からの留学生が、英国で不法就労を続けるために学生ビザ延長の申請をしているそうです。何とかして滞在・就労を続けたい外国人留学生と、外貨を稼ぎたいインド系団体の利害が一致したことが、組織的不正につながったと考えられます。
それにしても驚きました。不正の無い試験は無いのでしょうか・・・。


本日もお読みくださり、ありがとうございます♪

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