犬の瞳に恋してる?

こんにちは。散歩中の犬と飼い主さんを見ていますと、時折見つめ合ったりして、こちらまでほっこりします♪ そして、犬と飼い主さんの絆を強くするカギを握っているのが、
Gazing(じっと見つめること)
だという研究結果が、17日付けの米科学誌”Science”に掲載されました(参照したのは電子版です)。発表したのは、麻布大学獣医学部伴侶動物学研究室の研究チーム。
伴侶動物って、companion animalの直訳では…。

photo:©Arco Images GmbH/Alamy
実験では、人の信頼感を高めたり、癒しの効果などを持つというホルモン「オキシトシン」の量を測定することで、gazing(注視)の効果を検証しました。犬と飼い主のペア30組が、30分間、犬を見つめたり(注視)、なでたり、話しかけたりするふれあいセッションを持ちます。うち、21ペアには長時間の注視を、9ペアには短時間の注視を指示しました。
セッションの前後に、犬と飼い主から採尿してオキシトシンの量を測定。その結果、セッション後はすべてのペアで、犬と飼い主両方のオキシトシンレベルが上昇しましたが、最も伸びが大きかったのは、長時間の注視を行ったグループのペアでした。
対照実験として、人間が育てたオオカミと飼い主(論文ではhandler)のペア11組にも同じセッションを行いましたが、オキシトシン量と注視との関連は見られなかったということです。
また、もうひとつの実験では、犬にオキシトシン(またはプラセボの食塩水)を嗅がせた上で、ふれあいセッションを行いました。今度は飼い主のほか2名の人間もセッションに加わりますが、「注視」以外のふれあいは禁じられます。
結果は、オキシトシンを嗅いだ雌の犬が飼い主を最も注視し、そのことによって、飼い主のオキシトシンレベルが最も上昇した、というものでした。(雄犬でオキシトシンが効果的でなかったのは、飼い主以外の人間に警戒したためと研究チームはみています)
お互いのgazingで、犬と飼い主のオキシトシンが増える→さらに見つめる→オキシトシンが増える→絆が強まる…という絆づくりのloopが働いているということがわかりました。きらきらした黒目がちの瞳に魅かれるのには、科学的な裏付けがあったんですね。
オオカミでは見られなかった内分泌の変化が、犬にはどのようにして起こるようになったのかは謎ですが、それが人間とコミュニケーションを取るための変化だったのかも、と考えるのは楽しいことです♪

本日もお読みくださり、ありがとうございます♪