英語を英語として身につけるコツ

こんにちは。NHKラジオ「実践ビジネス英語」のテキスト5月号の誌上特別企画は、「英語を英語として身につけるコツ」。日本国内にいて英語を身につけようという方、必読です♪
とっておきの習得法を教えて下さるのは、佐藤昭弘先生。長年アメリカでジャーナリストとして活躍され、現在は「NHK World」英語ニュース番組のリライターをされています。特別企画というだけあって、18ページという長さ!内容は、

  1. Into New Territory(英語を英語として身につけ、日常生活の一部にする方法)
  2. 体験から見えてくること(佐藤先生の中学時代〜ジャーナリスト時代)
  3. 英語を英語として身につけるために(具体的な学習法)
  4. 相手に伝わる英語を書くために(心掛けたい8つのポイント)

と、盛りだくさん。この中から、1.と3.のアドバイスが特に具体的でわかりやすかったのでご紹介します。
まず、1.”Into New Territory”と題された章から。
どうしたら自然な英語を話し、書くことができるのか―。佐藤先生はご自身の体験から、「英語を英語として身につけ、日常生活の一部にする」ことが最も大切だとおっしゃいます。英語圏に住んでいるような環境を作り、英語漬けになることでそれを可能にします。
次のような生活を、1〜2年続ければ英語力はぐっと伸び、新しい領域(new territory)に入り、3〜4年後にはネイティブと渡り合える英語力を獲得することも夢ではない(!)そうです。

  1. 週に数日(できれば毎日)、インターネットでCNNやBBCなどの英語ニュースを聴きながら朝食をとる。
  2. 朝の通勤電車では、スマートフォンタブレットで英字新聞の電子版に目を通し、昼休みには英語の原書を少し読む。
  3. 帰りの電車ではアメリカの公共ラジオnprを聴き、就寝前にはYouTubeなどで好きなトピックを選び、映像とともに英語に耳を傾ける。

この時点で、英語ニュースが聴いてわかり、原書が読めることが前提になっているようですが、現在のレベルに合っていて、毎日続けられそうな教材、続けられるペースで、英語環境を整えることがポイントなんですね。
佐藤先生は、「好き」を基準に英語素材を選びましょう、とアドバイスされています。どんなジャンルでも構いませんが、興味のある分野なら、英語を聞こうというモチベーションを維持することができます。

続いて、3. 「英語を英語として身につける方法」です。4項目に分けてまとめられています。
1. インターネット、テレビなどの活用NHKオンライン「ニュースで英会話」やNHK WORLD(海外向け放送、インターネットを通じて国内でも視聴可)。CNNなどのニュース番組、History Channelや National Geographic Channelなどのドキュメンタリー番組。 英語テロップが表示される場合もあり、学習にうってつけ。多様な表現を覚えることができる。
初めは聞き取れない部分が多くても、慣れると英語を英語のまま理解できるように。視聴する時には、ペンとノートを用意して、面白い表現、初めて知ったフレーズなどをメモして覚える。
2. 映画とその脚本の活用生きた英語を身につける格好の教材。いろいろなシチュエーションでの自然な英語を習得できる。佐藤先生は、「カサブランカ」(Casablanca)、「ローマの休日」(Roman Holiday)、ウォーターゲート事件を扱った「大統領の陰謀」(All the President’s Men)などを、

「ビデオでそれぞれ50回以上も観て、セリフを全部覚えてしまった」

また、映画の脚本や戯曲は、会話なので理解しやすく、いろいろな表現を学べる。著作権の保護期間が終了した映画の脚本は、ネット上で見ることができる。

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3. 読書の効用
英語を書くための読書、という視点からの具体的なアドバイス
小説でもノンフィクションでもよいので、1冊の本を、1回目は、内容を理解するために読む。2回目は、言葉や表現がいかに効果的に使われているかに注意しながら、ゆっくりと読む。3回目以降は、好きな言葉・表現を覚えるために読む。

「1冊の本がボロボロになるまで読めば効果抜群です」


〜佐藤先生お薦めの作品〜
レイモンド・カーヴァー ”Will You Please Be Quiet, Please?”(「頼むから静かにしてくれ」)

すっきりした文章で、高校程度の英語力があれば辞書なしで読むことも可能。
E.B.ホワイト ”Charlotte’s Web”(「シャーロットのおくりもの」)や、"Stuart Little"(「スチュアートの大ぼうけん」)は、大人でも十分楽しめる児童文学作品で、高校程度の英語力で読める。

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”Essays of E.B. White”は、アメリカで最も優れた随筆集のひとつ。
なお、William Strunk Jr.原著、E.B. Whiteが改訂した”The Elements of Style”(「英語文章ルールブック」)は、文章を書く人の必読書とされる。(kamomeskyの本棚にも。帯に「カーター大統領も、演説を書くとき、この本をお手本にしたという」と書かれています)

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4. 英英辞書の活用
知らない単語やフレーズを調べ、やさしい英語で書かれた意味を繰り返し読み解くうちに、「英語を英語で理解する」ことができるようになる。
現在は、”Longman Dictionary of Contemporary English Online”や”Collins English Dictionary”など、学習者用の辞書がオンラインでも利用できる。タブレットによっては、あらかじめ英英辞書が内蔵されているものも。電子書籍の読書にも、そうした辞書機能を活用する。


いかがでしたか?ほんの一部でしたがこんなボリュームになってしまいました。テキスト掲載文には、佐藤先生の情熱が溢れています。
「実践ビジネス英語」のリスナーを念頭に置いたアドバイスですが、学習法に迷ったり、停滞を感じたりした時のboosterになりますね。これなら、と思うものからぜひ取り入れてみてください♪

本日もお読みくださり、ありがとうございます♪