マルウェアと脆弱性と英単語
こんにちは。よくこれだけ次から次へといろいろな事が起こるなあと思います。しかも、何か起こると世界規模で、自宅のパソコンまで巻き込まれる時代ですから傍観していられません。
今回はランサムウェア(身代金要求型)によるサイバー攻撃だそうで、感染するとコンピュータのファイルが暗号化されるというから困ります。本当に、困ります。
こうした困ったソフトウェアはマルウェア(malware)と呼ばれますが、malwareは、悪意のある(malicious)+ソフトウェア(software)を足した造語。器用な造語だなあと変なところで感心したりします(ちなみにウェアはwearと同音ですので要注意)。英文記事などでは総称としてのmalwareという語を日本語記事より多用しているのが、対照的で興味深い点でした。
ちなみにmal-は「悪い」ことや「不十分」などを表す接頭辞です。この流れでmalfunction(機能不全、機械などの不調)、malnutrition(栄養失調)などをチェック。malign(有害な、[医]悪性の)、maleficent(有害な)などは接頭辞+独立語のつくりではないものの、この発想なら覚えやすい単語。最後の語は「マレフィセント」です。
コンピュータ用語は英語をそのまま持ってきたカタカナ語が多く、訳されたかと思うと普段あまり使わないような日本語になっていたりします。その最たるものが「脆(ぜい)弱性」かと。元の単語はvulnerabilityです。
形容詞のvulnerable(傷つきやすい)として受験単語(難関大クラスか)で出会うことの多い語で、もちろんコンピュータ関連に限定されません。「弱点がある」とか「(場所などが)攻撃に弱い」など、外からの攻撃に対してどうか、という視点です。vulnerable yearsといえば「傷つきやすい年頃」ですから、私たちは皆vulnerableな時代を経験した(する)わけで、身構えてしまいそうなこの単語もちょっと身近に感じられます。
話を戻して、vulnerabilityです。NHKラジオのニュースでは確か「基本ソフトWindowsの欠陥を・・・」としていました。欠陥と脆弱性は同じ? 脆弱性を抱えていること自体を欠陥と解釈するスタンスかもしれませんが、少し違和感が残りました。思い切った翻訳とみるべきか、日本語のIT用語的にはOKなんでしょうか(よくわかりません)。聞き手のキャパシティを斟酌した言い換えとか・・・。
個人的には、「脆弱性」も「vulnerable」も良い意味で気になる単語です。音の響きが語義に沿っている気がするんですね。脆弱という音の響きは脆弱な感じに、vulnerableの響きはvulnerableな感じに聞こえます。「malware」も意味はネガティブですが、発音する時の唇の動く感じがおもしろいです。
修正プログラムが公表されましたが、そのサイトが本当に本物か、どう見分ければいいの・・・。
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