ジャック・ロビンソン

こんにちは。NHKラジオ「Enjoy Simple English」でアフリカ系アメリカ人初のメジャーリーガー、Jackie Robinson氏の話をしていました(野球には疎い私ですのでMLB的なコメントはできません・・・)。 Jackieは愛称なので、きっと本名は Jackなんだろうと思い、Jack Robinson・・・って、聞き覚えがあると思ったら、

”before you could (can) say Jack Robinson

という慣用句。まだ使ったことはありませんが、好きな慣用句です。直訳は「あなたがジャック・ロビンソンと言う前に」ですが、「あっという間に、たちまち」という意味です。
それならquicklyと言った方がそれこそあっという間なのに、わざわざ長く言うところが面白いですよね。(Jack Robinsonが誰なのか気にしたことはありませんでしたが、これを機に調べてみました。怒りっぽいRobinson氏がいたらしいとか、仕事が速い処刑執行人の名前がRobinsonだったとか、諸説あるようで決定的なことはわかりませんでした。)
このJack Robinsonの代わりに”knife”を入れたバージョンを聞いたことがあります。こうしたバリエーションの言葉遊びが起きそうだと容易に想像がつくところですが、私の教室で読んでいるHarry Potter第1巻にも登場します。
第1巻第9章The Midnight Duel(真夜中の決闘)で、飛行訓練の最初の授業中、けがをした生徒Nevil君を教官であるMadam Hoochが医務室に連れて行く際、残りの生徒たちに次のように言い渡します。

“None of you is to move while I take this boy to the hospital wing! You leave those brooms where they are or you’ll be out of Hogwarts before you can say ‘Quidditch’.”

(この子を医務室に連れていきます。その間、動いてはなりませんよ。箒もそのままにして置いておくように。さもないと、クィディッチの『ク』を言う前にホグワーツから出ていってもらうことになりますからね)


(静山社「ハリーポッターと賢者の石1-I」松岡祐子氏訳 より)

たちまち、という感じを工夫して訳出されていると感心しますが、さらに”before you can say Jack Robinson”を知っていれば面白さも倍増します。こういうところが、原書を読む楽しみだと思います。
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Harry Potter and the Philosopher's Stone


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