得をしたのは・・・

先日の英会話教室でのお話です。生徒様が地域の自然体験イベントに参加され、そこで会った外国人の方々と英語で少しお話をする機会があったそうです。楽しかった様子を英語で生き生きと話してくださいました。そして、
「得したなあ〜と思いました!」とおっしゃった後、<は、英語でどう言いますか?>という間(ま)がありました。・・・が、英語の前に、私は少々考えこんでいました。
「得をした」という英語があるに違いない、と思われるのはその通りなのですが、その部分だけを取り出して「得した」=「?」という答えを期待されますと、例えば以下のような答えも候補に含まれます。

This dictionary was a good buy.
(この辞書はお買い得だった)
Buying a big bottle of water is more economical.
(大きなボトルの水を買う方がお得ですよ)
She was the winner.
(得をしたのは彼女だった)
Yuki saved a lot of money thanks to the eco-point system.
(エコポイントのおかげで、ユキはずいぶん得をした)
You gain nothing by helping them.
(あの人たちを助けても、何の得にもならないよ)

具体的に「得をした」状況になってしまうことがおわかりいただけると思います。言いたかったこととずれていませんか?
私が考え込んでいたのは、英語の前の段階です。ずれが起きないよう、生徒様の思う「得した」を別の日本語に直して「日→日→英」をしようとしたのですが、「あれ?何が得なんだっけ?」と考え込んでしまったんですね。

・外国人と話ができたことがよかった。(得?)
・英語を習っていてよかった。(得?)
・イベントに行ったことが英語を話す機会につながった。(得?)
そして、この3つには「得した」という表現は出てきません・・・。

などの候補がよぎる中、そもそもこうしたことを「得した」というのは、もしや Osaka dialect なのでは?などと考えているのをよそに、生徒様は少し考えてから、

By grace of you, I talked with them. I was happy!
 (おかげさまで外国の方々とお話ができました。嬉しかったです!)

とおっしゃったのです。
Brilliant! How much progress she has made!! That definitely made my day!