匿名への情熱

こんにちは。暑いですね・・・。今日は本当に備忘録のようなentryになりそうです。
先日、ある企業の役員をされている方に数年ぶりにお会いする機会がありまして、その方が「若い社員たちにいつも言っていること」として、「匿名の情熱」という言葉を挙げられました。何でも、「アメリカ大統領の補佐官の言葉」だということで、チームとして大きな仕事をすることが大切で、個人の名前が表に出るかどうかは顧みない献身と情熱がなければならない―という、仕事に取り組む姿勢についてのご自身の思いを重ねて話されました。
さて、訓示になるようなこの言葉を、私は恥ずかしながら知りませんでしたので、さっそく検索しました。いわゆる「名句」に挙がるものだと思いましたが、日本語検索でヒットするのは断片的な引用ばかり。次に英語で”anonymous( 匿名の)”+”passion( 情熱)”で検索しましたが見つかりません。品詞を変えて、”anonymity( 匿名)”としたところ、”a passion for anonymity” が多数ヒットしました。これなら「匿名への情熱」です。以下、断片的なのですが、わかったことは、

1. 第32代ルーズベルト大統領(Franklin Delano Roosevelt)が1936年に設けた「行政管理に関する大統領委員会」(Brownlowブラウンロー委員会)の、Louis Brownlow氏の自伝のタイトルが”A Passion for Anonymity”であること。


2. ブラウンロー委員会の最初の提言が「大統領補佐官を置くこと」で、補佐官を選任する際の基準として、
"possessed of high competence, great physical vigor and a passion for anonymity.”
(優れた能力、強靭な体力、匿名への情熱、を有している)
ことを挙げていたこと。


3. 大統領(F.D.R.)自身が、
“I need executive assistants with ‘a passion for anonymity ' to be my legs.”
(私の足となって働いてくれる「匿名への情熱」を持つ補佐官が必要だ)
と語っていたこと。このlegsは比喩的な表現ですが、やはり、大統領が車椅子を利用していたことを重ね合わせてしまいます。


ふと始めた自由研究が意外に難しく、苦労しているような感じです(笑)。これがビジネスマンの訓示になるということは、それなりのメディアで取り上げられたこともあるのでしょうか・・・行政学も不勉強で恐縮です。
Anonymity―匿名といえば、今では「匿名なら何をしてもいい」というような風潮ですが、「何を成し遂げても匿名でいい」というのが「匿名への情熱」。 どこか団塊の世代の香りがするこの言葉を、やはり団塊の世代の方からうかがった、その備忘録でした。最後までお読みくださり、ありがとうございます。